大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)2818号 判決

一、然しながら民事調停規則第五条本文は調停の申立があつた事件について訴訟が係属するときは受訴裁判所は調停が終了するまで訴訟手続を中止することができる旨を規定し、中止するかどうかを裁判所の自由裁量に委ねた趣旨と解すべきであるから、原審が訴訟手続の中止を為さずして弁論を続行したことを以て控訴人の防禦権を奪つた違法の措置となすことを得ないこと論を俟たないところである。

二、而して訴訟手続を中止するか否かの裁判は訴訟指揮の裁判であるから、必しもこれを書面に作成することを要しないものであつて、訴訟手続中止の申立があるにかゝわらず裁判所が期日を指定して訴訟手続を進行させた本件にあつては原審裁判所は暗黙に右申立を却下する旨の裁判をしたものと解するのが相当である。この場合において次回期日の指定があれば、これは当然当事者に告知せられるのであるから(本件について見れば昭和三十三年十二月三日申立人に対し本件判決言渡期日呼出状が発送されている)特に却下の通知をしなくとも当事者は右告知により間接に右申立却下の裁判のあつたことを諒知し得るのである。控訴人がこの点について原審の措置に対する非難又は原判決の効力を云為する部分は理由がない。

(梶村 岡崎 堀田)

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